素潜り(スキンダイビング)
カヤックを利用したスキンダイビング
スノーケリングやスキンダイビングをする場合、カヤックはとても強力な道具になります。私が初めてカヤックを利用してスキンダイビングをしたときは、その便利さに目から鱗が落ちる思いでした。誰も近づけないポイントに、自由に漕いで行けますし、疲れたり寒くなったりしたら再乗艇して休憩できます。艇には水、食料、携帯電話など、快適で安全に遊ぶための、様々なモノを積んでおけます。
しかし、大多数のカヤッカーは、この素晴らしい使い方に目を向けず、平らな水平線だけを見てひたすらに漕いでいるようです。これは、何と
ももったいないことです! 視線を水面下に移せは、わずか数m下には、全く別世界が広がっているのです。カヤッカーには、ぜひとも水面下の世界を見に来て頂きたい、そして、スノーケラーやスキンダイバーには、カヤックの利用価値を認識して頂きたいと思います。
シットオントップカヤック(Feathercraftの場合はAirlineシリーズ)は、簡単に再乗艇できますし、水をかぶっても自動的に排水されるので、海中の遊びとの組み合わせに最適です。フィンを履いたまま漕いだり、カヤックにうつ伏せになって海底を見たりすることもできます。もちろん、普通のカヤックでも、セルフレスキューができれば、十分使えます。
スキンダイビング初心者の方へ
スキンダイビングは、技術的にやや難しい部分があり、また大きな危険が伴うので、最初は十分に練習する必要があります。しかし、リスクが高い割に、全然お金にならないので、きちんと技術を教えてくれるところは希です。
ここでは、具体的なスキンダイビングの技術については書きません。私は、責任持って人に教えられるほどしっかりしたノウハウを持っているわけではありませんし、文章だけで伝えるのは困難だからです。では、練習したい場合にどうすれば良いのかということですが、私が思いつくのに、以下のような方法があります。
1、通常のスクーバダイビングの講習を受け、Cカードを取得する
当然ですが、スクーバダイビングの技術の大部分は、スキンダイビングにも当てはまります。特に、耳抜きに関しては、スクーバの方がはるかに練習しやすい技術です。スキンダイビングだけやりたいという方も、スクーバの講習を一通り受けて、Cカードを取得することをお勧めします。店によっては、特別にスキンダイビングの講習もしてくれるかもしれません。申し込み時に確認してみて下さい。
多くのダイビングショップでは、高価な器材を買うように仕向けられる場合が多いので、注意が必要です。個人的には、街中のおしゃれなショップよりも、沖縄、伊豆、和歌山など地元のダイビングサービスに講習を頼む方が、融通が利き、信頼もできると思います。
2、ドルフィンスイムのショップを当たる
おそらく、関東限定になると思いますが、御蔵島や小笠原でドルフィンスイムのツアーを行っているショップならば、ダイビングプールで潜り方を教えてくれます。イルカに興味がなくても、講習は受け付けてもらえるでしょう。一度ぐらいドルフィンスイムを体験するのも良い経験です。
3、スキンダイビングをしているサークルに入る
ネット上でも、スキンダイビングの仲間を集っているグループがいくつか見つかります。参加すれば、いろいろアドバイスをもらったり、
ダイビングプールでの練習に参加させてもらうこともできるでしょう。ただし、安全については自己責任になりますし、正しい知識を教えてもらえるかどうかは、分かりません。本格的に、深く潜ることを目的としたところから、お気楽にスノーケリングを楽しむところまで、様々です。
他にもいろいろあるかもしれません。もう少し具体的には、メールでご相談下さい。
スキンダイビングで使う道具
・ブーツ、フィン、マスク、スノーケル
言わずと知れた、3点セット。岩場を歩く場合も考えて、フィンはブーツの上から履きましょう。私は、薄いダイビング用ブーツに、フルフットのフィンを使っています。
・ラッシュガード
カヤッカーなら分かると思いますが、日焼け防止に長袖のラッシュガードは必需です。顔や、耳の上、首筋へ日焼け止めを塗るのも忘れずに。
・グローブ
海底の岩などをつかむときに、手袋をしていないと、間違いなくけがをします。軍手程度でもいいので、必ず着けて下さい。
・ウェットスーツ、ウェイト
水温25℃以下なら、用意した方がいいでしょう。ウェットスーツは、動きやすくて軽い3mmのフルスーツがお勧めです。ウェイトは、3mmウェットなら、3kg前後。
カヤックを使うならば、保温を目的としたウェットスーツの必要性は大幅に減ります。寒くなったら、すぐ艇に上がることができるからです。初夏〜秋の和歌山以南ならば、ほとんど要らないと思います。ウェットスーツとウェイトはセットで必要になるので、器材が非常に重くなります。ただでさえ重いカヤックに、さらに荷物を加えるのは、なるべく避けたいことです。ただし、ウェットスーツには、保温以外にも、けがの防止、浮力の確保、日焼け防止などの機能がありますので、真夏でも着た方がベターです。
・アンカー、パドルリーシュ
カヤック側の装備として必須です。泳いでいる間に、カヤックやパドルが風で飛ばされてしまったら、大変なことになります。お忘れなく。
注意!
海は陸上とは比べ物にならないほど厳しい環境です。ちょっとした潮の流れでも、人の水泳能力をはるかに超える速度になります。そして、海の中には、人間など及びも着かないほど、高度に適応した生き物が溢れています。人間を一撃で殺すことができる毒や力を持っている生物もいます。
スキンダイビングは、誰でも容易に始めることができますが、間違いなく危険度が最も高いスポーツのひとつです。冬山登山よりもリスクは高いかもしれません。ベテラン、初心者に関わらず、死ぬ時は一瞬で死にます。
少なくとも、技術や知識の不足が原因で、命を落とす人がなくなるよう、祈っています。