■日程■ 2009/12/27-31 |
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■距離■ @17.8km A0km B14.7km |
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■同行者■ なし |
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■交通■ [行き] JR光駅下車 [帰り] 知人の車で田ノ浦から室津バス停へ |
以前に、山口県上関町の祝島を訪れてから4年以上が経ちました。上関原発予定地では、埋め立て工事着工期限が迫っていた2009年10月頃から、動きが活発になっていました。中国電力による強引なブイの設置工事や、阻止行動をするカヤッカーへの暴行事件も発生しました。伝わってくる情報に触れ、映画の上映会にも参加するうち、少しでも自分にできる協力をしたいと考えて、再び上関町を訪れることにしました。
東京からの夜行バスで広島駅へ。郵便局でカヤックを受け取り、JRで光市へ移動し、スーパーで食料を調達し、虹ヶ浜海岸を出艇。初日は好天で、約15km先の祝島がくっきりと見えます。右下写真の、左が祝島、右が小祝島です。
冬の澄んだ空気と、奇麗な海。瀬戸内海にも、まだこんな美しい場所が残っているということを改めて実感します。途中に立ち寄った尾島は、休憩適地です。
日暮れ前頃に、牛島(うしま)に到着。集落の東側でキャンプさせてもらいました。
翌日は、北西の風が強くて、牛島で停滞。3時過ぎに、やや風の勢いが弱まりましたが、無理をするのは止めておいて、もう一泊キャンプすることにしました。島には酒屋が1軒ある程度で、食料を購入することはできません。暇だったので、光のスーパーで購入した米や野菜と、持参した調味料や乾物を少しずつ使って、いろいろ料理を作りました。この頃、普段からほぼ玄米菜食生活なので、耐乏生活には強いのです。
西端の岬を回り込むと、田ノ浦の浜が見えてきます。4年前と比べると、森の木々が広範囲に伐採されて、荒れた山の地肌がむき出しになっていました。浜では、現地で阻止行動をしている人達が迎えてくれました。ここで、虹のカヤック隊の原さんの他、意外な知人にも再会しました。
陸上では、かなり工事が進んでおり、高層ビルの基礎工事を思わせるような光景でした。差し入れのお弁当を頂いていると、爆音を立ててヘリがやって来て、我々の上空を何度か旋回して、去って行きました。空に向かって、「弁当欲しいと言ってもやんないぞ〜」などと、バカを言いながらも、非常に悲しい気持ちになってしまいました。
この日は、海岸から徒歩10分程度の場所にある、山小屋に泊めて頂きました。ここは、13年前に、反対派の人達が、活動の拠点にするために共同で建てた建物です。巨大なソーラーパネルが設置されているのも、中国電力への抗議の意思表示なのでしょう。他にも、もうひとつ監視小屋が建てられていて、そこには最近住民票を移した人がいるそうです。このように、原発予定地の周りには反対派の所有する土地が多くあり、中国電力も手が出せません。本来なら、原子炉は地盤の安定した陸地に建てるべきもののはずですが、それができないので、やむなく埋立地に設置する計画になっているそうです。埋立地に原子炉を作るというのは、極めて危険であるのは、誰でも想像できることでしょう。
翌日は、さらに風が強くなり、風速18mの予報。朝、海岸に出てみると、浜のテントが波に流されて崩壊するところでした。ちょうど、満潮と強風が重なり、砂浜の奥まで波が押し寄せてきたのです。歩くのもままならない程の暴風の中、次々に流されて行くテントや物資を見ていると、妙にテンションが上がって、笑うしかない気分でした。