旅の記録28 五島列島・福江島3/4周

■日程■
2005/9/21-24
■距離■
@5.7km A40.6km
B38.3km C7.5km
■同行者■
なし
■交通■
[行き]
フェリー福江港下船
[帰り]
バス水ノ浦乗車


 大分から朝7時の高速バスに乗り、11時に長崎着。フェリーに乗り換え、五島列島の福江港に着いたのは、午後5時近く。もう1日の終わりの時間です。少しでも進みたかったので、急いで艇を組み立て、暗くなるまでの1時間程度漕ぎました。
 帰りのバスの都合上、漕げる日数は合計3日弱ぐらいしかありません。距離を測ると、福江島を1周できるかどうか微妙なところです。南方には台風も発生して、コンディションは悪化の方向。どうしても、大瀬崎は回りたかったので、最初のうちは、漕げるだけ漕いでおこうという方針で、頑張ることにしました。

 福江島は全体が火山島のようで、大部分の海岸線は黒いごつごつした岩で囲まれています。カヤックが着けられそうな場所は、湾の中などに限られており、何キロも上陸不可能な海岸が続くところもあります。状況次第では要注意です。

 島の周囲は、非常に変化に富んだ地形をしています。中央部には400m程の山がある一方、周辺の半島ではほとんど平坦な土地もあります。外洋に面した断崖から、入り組んだ内海、広い遠浅の砂浜まで、シーカヤックで楽しめるあらゆる景観が揃っていると言ってもいいぐらいです。そして、数時間漕ぐと全く違った光景が現れるので、飽きることがありません。
 左下の写真は、島の南方にある、津多羅島の東端の光景です。複雑な形に削られた奇岩群には圧倒されます。右はその西側の、角のように海面から突き出した二子瀬。3つの垂直に切り立った岩が立ち並び、その間の細い水路は、カヤックで通り抜けることができます。

 さらに大瀬崎の手前付近では、海岸沿いに小島が点在しており、迫力ある絶壁を眺めながら、間を縫うように漕いで行くことができました。やはり杉本情報に間違いはありません。最高に面白い海域でした。
 いよいよ南西端の大瀬崎。そろそろ日が傾き、暗くなりつつありました。それまでは波風も弱く、この調子なら次の湾までたどり着けるだろうと思い、大瀬崎を回りました。すると、一転して大きな波と、強い向かい風。しかも海岸は断崖絶壁が延々と続き、上陸可能な浜は全くありません。このまま進んだら海の藻屑となりそうだったので、大瀬崎の手前の小さな入り江まで引き返しました。この日は、右下写真の崖の下の、ゴロタ石の浜でキャンプ。寝心地が悪く、携帯も圏外で、ちょっと不安な一夜でした。

 翌日は、早朝の朝凪のうちに出艇。大瀬崎を回ると、幸い昨日よりずっと海は静かでした。次の湾まで一気に漕いで、ほっと一息。小浦には、ウッドデッキのある綺麗な海水浴場が整備してあり、トイレやシャワーまで自由に使えるようになっていました。体を洗い、朝食を食べ、ゆっくり休憩しました。

 厳しい外洋とは対照的に、湾内では穏やかな内海が続きます。スピードも乗って、どんどん北へ向かいます。湾を出ると、台風に引き寄せられる北風の影響か、やや大きなうねりが出ていました。
 長崎鼻には、長方形のスマートな灯台がありました。平坦な地形に良く映えます。

 だいぶ疲れも出てきたので。早めに切り上げたい気分ではありましたが、島を1周する目標も捨てきれず、ともかく日没過ぎまで漕いで、水浦の港に入りました。
 良い上陸地がなくて、うろうろしているうちに暗くなってしまったので、漁港の前の階段から艇を上げ、漁港の隅で野営。しかし夜中にうとうとした頃、漁に出ていた漁船が次々に帰って来て、夜釣り用の眩しい照明で照らされてしまいました。何度も頭を下げて事情説明。怒られはしませんでしたが、怪しい奴だと思われたかもしれません。

 翌朝、漕ぐ気満々で出艇。湾から少し出てみると、数mの大波が次々に打ち寄せ、しかも強烈な向かい風。数キロに渡って上陸地なし。すごすごと戻ってきて、湾の中を少し散策。港に戻ってカヤックを片付けました。
 帰りは、水ノ浦から路線バスに乗り、福江港へ。長崎へ向かうフェリーの窓からふと外を見ると、数頭のイルカがフェリーに伴走して泳いでいるのが見えました。以前のスナメリといい、カヤック中に現れてくれないのが意地悪です。