旅の記録27 四万十川下り

■日程■
2005/09/19
■距離■
21.7km
■同行者■
ガイド(杉本氏)
■交通■
[行き]
車で送迎
[帰り]
車で送迎


 2日続けて海を満喫したので、今日は川へ。四万十川は、3年前に初めてキャンプしたときに訪れた思い出の場所です。
 昨日と同様、目的地の勝間に自転車を置いて、江川崎から漕ぎ出します。川に舟を浮かべると、何もしなくても進んで行くのは、久しぶりに味わう感覚です。この日はほとんど漕がずに、Javaの上で寝転がって、ゆっくり流されながら下って行きました。

 ふと辺りの景色を見ると、10m以上もの高い木の上に、たくさんのごみが引っかかっているのが気になります。また、川岸の石や木の葉は泥だらけで、川の水もだいぶ濁っているような気がしました。
 しかし、このときはあまり気にすることもなく、パドリングのレッスンなどしてもらいながら、流れのままに、のんきに下って行きました。

 左のお店は、3年前に四万十川を旅したときにお世話になった、レンタルカヌー屋のシマムタ共遊国です。カヌーのレンタルと、その運搬だけ行い、客には勝手に遊んでもらうという、変わり者のカヌー屋さんです。
 ご主人の平塚さんとも、少しお話することができて、懐かしかったです。自分で作り上げたと言う、ウッドデッキ付きの家が見事。

 距離も短かったので、あっという間に勝間に到着。川原に艇を上げて、小さな集落を見に行くと、揃いのTシャツを着た人たちが、何やら忙しそうに作業をしています。話を聞くと、今月6日に接近した台風14号により、最大17.5mの増水、床上浸水約300棟という被害が出ていたというのです。
 被害のあった地域では、ボランティア活動が行われていて、その中心人物が四万十塾のとーるさん。四万十塾では、オープンデッキのカナディアンカヌーで、3泊4日程度かけてゆっくりと四万十川を下るツアーを実施しています。しかし、この災害後は、すべてのツアーをキャンセルし、全国から集まったボランティアスタッフと共に、復旧作業を行っていたのです。とーるさんには、「こんな大きな水害があった被災地に、県外から来てツーリングするなんて信じられなーい」、と言われてしまいました。知らなかったとは言え、自分たちの無神経さに反省。
 杉本さんには自転車で車を取りに行ってもらい、私は自艇のパッキング。空いた時間で、少しボランティア活動にも参加しました。作業をしてみると、泥やごみが大量に積もっており、改めて水の被害の怖さを実感しました。

 その後、とーるさんに誘われて、四万十塾のお店に遊びに行くことになりました。救援活動向けの物資などの片付けを手伝った後、スタッフと一緒に、夕食をご馳走して頂きました。不謹慎な観光客に、こんなに親切にして頂いていいのでしょうか? とーるさんに感謝です。
 この日の夜は、廃校になった勝間小学校で、ボランティアの方と共に宿泊。なかなかできない体験をさせてもらいました。
 本来、2泊3日のツアーだったのですが、お互いもう少し時間があったので、4日目も半日ツアーを行うことになりました。気分を変えて山でトレッキングです。滑床渓谷に沿って、三本杭(1226m)に登りました。岩が削られてできた丸い淵(右写真)では、思わずパンツ一丁になって、飛び込んでしまいました。道も良く、景観も良く、最高のトレッキングコースでした。

 これでクーランマランのツアーは終了です。このツアーは、元々「宇和島キャンプツーリング」だったのですが、これほどいろいろな内容を盛り込み、想像以上に発展させてくれた杉本さんの手腕は見事です。予約は取らず、宿も決めず、予定変更やハプニングは大歓迎で、その場で一番良さそうなところを回っていくというスタイル。バックパッカーの旅を、事業として行ったらこんな感じになるということでしょう。
 さて、まだ休暇は5日ほど残っていますが、予定が全く立っていません。ずっと四国にいるのも面白くないので、とりあえず九州に渡ることにしました。杉本さんは、ある島の南端を指差して一言、「ここは面白いですよ」。これで行き先は決まりました。
 宇和島まで車で送ってもらい、杉本さんとお別れ。八幡浜まで電車で移動し、そこからフェリーで臼杵へ。さらに電車で大分へ。この日はもう遅くなり、久しぶりにゆっくり休みたかったので、駅前のビジネスホテルに泊まりました。4日ぶりに風呂に入って、ベッドで安眠。文明社会の快適さをつくづく感じました。