旅の記録52 利尻・礼文2

■日程■
2007/7/22-29
■距離■
B16.5km C2.6km
D38.4km E9.0km
F 0km
■同行者■
なし
■交通■
[行き]
稚内からフェリー
[帰り]
利尻から飛行機


 3日目。礼文島の西海岸を北上。今回のルートの中で、最も美しい光景の海岸線です。急いで通り抜けてはもったいないので、トレッキングなど楽しみながら、ゆっくりと進みました。
 左写真は、桃岩。右は、観光名所の地蔵岩。礼文島は、利尻島と違って、火山島ではなく、古い地盤でできているので、侵食による奇岩や断崖がたくさん見られます。

 元地を少し過ぎると、礼文滝が現れます。道路が通っていないので、歩いてここまで来るのは大変ですが、カヤックなら簡単に見に来ることができます。人もほとんどいなかったので、滝で2日ぶりに体を洗って、さっぱりさせてもらいました。

 宇遠内(うえんない)は、現代では珍しい、道路が通じていない集落です。代わりに、規模に釣り合わないほど立派な港があります。あまり人は見かけず、お年寄り達が家の中でのんびりと過ごしていました。この集落は、トレッキングコースの「8時間コース」の通り道になっていて、時々ハイカーが歩いて行きます。

 さらに進んだアナマ岩近くの浜で上陸して休憩。ここで、奇跡的な出会いがありましたが、このことは、また後ほどBlogでお話しましょう。
 北上を続けると、いよいよ最北端の美しい断崖が見えてきて、期待に胸膨らみます。楽しみは明日に取って置く事にして、この日は、西上泊の少し手前の、小さな入り江でキャンプ。

 4日目は、朝から強い南西風で西海岸は大荒れ。こんなに天気が急変するのは予想外……
 鉄府まで何とか漕いで、カヤックは港の端に置き、今日は停滞と決定。最小限のキャンプ道具だけザックに詰め、北部のトレッキングコースを歩くことにしました。

 風が強くてトレッキングするのも大変。山の尾根を歩くと、台風並みの風で飛ばされそうでした。それでも、礼文島最北端のスコトン岬周辺の光景は素晴らしく、トド島を眺めながら、絶対ここを漕いでやる!と決意。久種湖まで歩いて町営キャンプ場へ。夜は、船泊の居酒屋で、マスターの子供相手に飲んでました。

 5日目。キャンプ場から歩いて鉄府に来てみると、風はほとんど治まり、海況良好です! いよいよ礼文最北部に向けてスタート。  見事な崖がそびえるゴロタ岬を回ると、その先は、海鳥の大営巣地になっていて、鳥の密度に圧倒されます。ただし、うかつにカヤックで近づくと、糞の絨毯爆撃に見舞われるので、注意が必要。

 スコトン岬から、昨日陸上から見たトド島が見えます。この島は無人島で、船のチャーターでもしなければ見に行くことはできません。トド島の裏側は、サハリンからじゃないと見えないってこと。どんな光景が広がっているのか楽しみですよね!

 下の写真がトド島の裏側。小さいながらも、ごつごつとした岩肌はまさにこの世の果てといった光景です。そして、岬を回りこむと、一転して穏やかな入り江があり、歴史を感じさせる朽ち果てた番屋が残っていました。ここでキャンプするのも良かったかもしれません(大量の鳥の糞さえなければ)。

 礼文島に戻り、湾内を漕いで行くと、黒くて丸いものが大量に海に浮かんでいます。ゴマフアザラシの群れです(マウスを乗せると拡大)。こいつらと遊ぶのはなかなか楽しい。遠くからは、じっとこちらを窺っていますが、2,30mぐらいの距離まで近づくと慌てて潜り、しばらくすると少し離れたところから顔を出します。そのまま漕いで行くと、後から追いかけて来て、興味深そうにこちらを見ています。
 東海岸に来てしまうと、海岸沿いに道路が続き、特に面白いところはなし。香深井まで漕ぎ、森の中のキャンプ場で泊。

 6日目は、再び海は荒れ模様。近くに、礼文岳へのトレッキングルートがあったので、登ってみることにしました。しかし、登るにつれて、猛烈な風とガスが出てきて、歩くのもきつい状況。それでもどうにか山頂まで到着……と思ってましたが、後で調べると、どうも山頂はもう少し先だったようです。あの霧の中では、何も見えないので、同じでしょうけど。

 礼文島と言えば、花の島として有名ですが、花の季節は、7月始めぐらいでほとんど終わり。それでもトレッキング中にポツポツと綺麗な花を見ることができました。

 礼文岳から戻りますが、やはり南風が強い。この日は民宿の予約がしてある奮部まで行く必要がありました。何とかなりそうな海況だったので、強風に向かって残り9kmを漕ぎました。
 奮部ではかなり海が荒れていたので、漁港でお願いして、端にカヤックを上げさせてもらいました(本来は、北海道でのカヤックの漁港利用禁止)。

 7日目はさらに海況が悪く、朝から嵐の様相。帰りもカヤックで利尻まで行きたかったのですが、断念してカヤックを畳みました。民宿のトレッキング客も、山へ入るのはやめて、利尻の温泉に行くことになったので、一緒にフェリーで利尻の鴛泊へ戻りました。