旅の記録15 クジラを求めて座間味一周

■日程■
2005/3/20-21
■距離■
@29.8km A14.3km
■同行者■
なし
■交通■
阿真ビーチより


 慶良間2日目。今の季節は、この付近の海域にクジラが良く現れるので、船からのホエールウォッチングが人気です。ぜひとも、カヤックからクジラを見たかったので、朝、祐司さんに情報を聞きましたが、今のところ現れていないとのこと。それでは、のんびりムカラクまで行こうかとも思いましたが、
 ・前日どこかでマスクとスノーケルを落として、泳げなくなってしまった
 ・あまりにも天気が良過ぎた
ということで、この日は、漕ぎに徹することにしました。

 阿真から東に出て、座間味をぐるりと回って、北側の外洋へ。途中で寄った海岸で、ビン玉発見。祐司さんのお土産に持って行ってやろうと、艇に積み込みました(後にこのビン玉は幸運を呼びます)。北側に回ると、さすがに多少のうねりがありましたが、風は弱く、岸に近づかなければ、全く問題ない程度でした。

 北岸の海岸は激しい外洋の波に削られて、荒々しい光景が続いていました。北端の岬を回り、ビーチに上陸して昼食の準備を始めました。何気なく、水平線に目をやると、
 「あ、今、クジラとんだ……」
 全身が宙に舞うほど大きくジャンプし、しぶきが大きく飛び散るのがはっきり見えました。もう、昼飯どころではありません。半煮えのご飯に、牛丼ぶっかけてのどに押し込み、クジラめがけて全力で、漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ。クジラウォッチングの船が一斉にポイント目指して集まっていきます。頑張って漕いでもやはりカヤックは遅い。約1時間後に着いた頃には、もうクジラは居なくなっていたらしく、諦めた船が散り散りに帰るところでした。頑張ったのに……

 気を取り直して、阿嘉島に向かいます。北東の海岸で、3艘のカヤックと遭遇。沖縄カヤックセンターのツアーでした。上陸して、少しおしゃべり。なんと、私の来た方で、つい直前にクジラのジャンプが見えたそうです。どうも、おちょくられているようです。
 阿嘉島の港の横に艇を着けて、買い物のため店に寄ります。やはり離島では、一人分の食材になりそうなものがほとんどなく、ビールとチーズだけ買って阿嘉島を出ました。今夜もレトルトになりそうです。

 慶留間(ゲルマ)、外地(フカジ)と南下し、ムカラク島に到着。先客あり。テラワークス様のご一行(4名)でした。おずおずと、「隣にテントを張らせてもらっても良いですか」と聞くと、快く「どうぞ!」と言って頂き、さらに夕食もご馳走になり、その上酒まで一緒に飲ませて頂きました。
 テラワークスの諸喜田さん曰く、「みんな俺のことを怖いと思ってるらしいけど、本当は優しいんだよ」だそうです。はい、本当に優しく、親切な方でした。諸喜田さんは日本のカヤックの草分け的な存在で、面白い話をいろいろ聞かせてもらいました。

 翌朝は、テラワークスさん達より一足早く出艇し、ムカラク島の南端を回りました。ここでは、うねりがぶつかり、大きく波立っていました。まさに外洋の景観です。

 その後は、ずっと北上し、有名な阿嘉島のニシハマビーチに上陸して昼食。ほとんど人の姿はなく、広く美しいビーチを独り占めできました。のんびり散歩していたら、荷物をカラスに襲われ、お菓子やつまみの類が、あらかた盗られてしまいました。

 ニシハマから、向かいの安室島へ。一昨日無くしたマスクとシュノーケルが見つからないかと、一縷の望みをかけて探しに行きました。ビーチにはまたカヤックあり。誰かと思ったら、ケラマカヤックセンターご一行でした。陽気な女性3名が、トリプル艇を漕いでいました。
 ちょうど良かったと、祐司さんに拾ったビン玉を渡したら、たいそう喜んでくれました。その時、女性の一人が砂浜から何かを拾い上げ、不審そうに見ています。なんとそれは、私のマスクとスノーケル。神様は居るのかもしれません。

 一行と別れて、一人嘉比(ガヒ)島へ。浅い水路から入って上陸し、灯台まで上ると、慶良間の全景を眺めることができます。本当にこの日は天気が良く、全身で気持ち良さを感じるひとときでした。

 阿真ビーチに到着し、撤収。カヤックは宅配の手配をし、この日は民宿泊。
 今回は、今までの沖縄旅行の中でもベストと言えるほど素敵な旅でした。慶良間最高、シーカヤック最高、Java最高です。