旅の記録19 仲良川から北西岸ツーリング

■日程■
2005/4/30-5/2
■距離■
@16.9km A19.5km
B24.3km
■同行者■
初日・参加者5 ガイド1 その後はソロ
■交通■
[行き]
店の車で白浜へ運搬
[帰り]
船の送迎バスで星砂から船浦へ。カヤックは石垣港から宅配。


 西表DAYツアー2日目。この日は、仲良(なから)川のツーリング。GW本番に入って、参加者も増え、合計7人の賑やかなツアーになりました。白浜を出ると、すぐに仲良川河口の、マングローブの森が見られます。

 水深はせいぜい腰ぐらいまでと浅いのですが、川底は泥が堆積しており、岸はぎっしりとマングローブが林立しているので、上陸できるポイントが全くありません。私はJavaなので、適当に泳いだり、立ち上がったりして、気ままに遊びながら漕いで行けますが、他の参加者は、慣れないシーカヤックに長時間座り続けて、かなり厳しかったようでした。
 GoodOutDoorのツアーは、朝は早めに出て、夕方も遅くまで遊んでくるので、時間はたっぷりあります。途中支流に入って、一層深いマングローブの中を進んだりすることもありました。カヤックで行けるところまで川を上り、その後は、荷物を手分けして持って徒歩で滝へ。3、40分の道のりは、植物の解説をしてもらいながら歩きました。左の写真は、アジサイの原種のコンロンカ。仲良川の滝は落差10m程度で、かなり水量もあります。滝壷の近くは、深さ4mぐらいあり、潜って遊ぶのも楽しめました。昼食は、島の食材を使った沖縄そばでした。

 下りはだいぶ潮が引いており、川岸にはシオマネキや、小さなコメツキガニなどが、何千匹も出現していて壮観でした。仲良川河口付近で一行と別れ、一人でイダの浜へ行ってキャンプ。明日からは、いよいよソロツーリングの開始です。
 翌朝は、まず船浮の集落へ。陸路では全く孤立した集落ですが、観光客相手の小さな施設や、やはり不釣合いに立派な小学校などがありました。炭鉱や軍事施設の跡なども残っており、いろいろな歴史を感じさせられます。

 船浮を出て水落の滝へ。この日は、一日中南風が非常に強く、船浮から滝までは向かい風に苦労しました。おそらく一般のツアーなら中止にしているコンディションでしょう。そのおかげか、水落の滝はほとんど人がおらず、一人でカヤックに乗りながらの水浴びを楽しみました。
 滝の近くで早めの昼食を済ませた後、内離島へ。相変わらず風は強いですが、追い風で、波はほとんどないので、楽に進むことができました。もし、向かい風なら、とても漕ぐ気にはなれません。片道ツーリングで良かった!

 内離島を北上していくと、あちこちで面白いものが見つかりました。
 まずは天然シャワー。崖から、落差5m程で水しぶきが降りかかり、南国の楽園を絵に書いたような気持ち良さです。
 そして、海岸に点在する崩れかけた建物。この島も、以前は炭鉱で栄えた島なので、その跡なのでしょう。スノーケリングをしてみると、魚の密度もかなりのもので、楽しく泳ぐことができました。

 この日は、干立の少し北の浜(タカラの浜というらしい)でキャンプ。ここは、今までキャンプした中でも、最高のビーチでした。砂は細かく、ビーチの奥行きも深く、大きな洞穴があって雨風を避ける事ができます。人はほとんど近付けない場所ですが、南北どちらにも集落があるので、風が吹いても安心。時間があれば、2、3日は滞在したいところです。

 翌日は、早起きして7時前に出艇。キャンプ地を出て、北上すると、あちこちに水場あり、奇岩ありで、わくわくする海岸です。出戸さんがツアーで使っているのもうなずけるところです。
 アトク島の手前で、ちょうど手ごろなサイズの波が打ち寄せている場所があったので、波乗りをしてみることにしました。それほど距離はありませんでしたが、50m以上は、つつーと滑る事ができて、しばらく遊べました。

 浦内川は、西表最大の川ですが、観光船が15分おきに通るような俗な川になってしまってます。でも、それを我慢すれば、面白いポイントがいろいろあり、カヤックで漕ぐ価値のある川だと思います。それにしても、普段は波ひとつないマングローブの森を、あれだけの数の動力船にかき乱されて、生態系への影響が気になるところです。
 左は、(たぶん)天然記念物のカンムリワシ。真下まで近づいても逃げようとせず、じっと見下ろされていました。右は、辺りに強い香りを漂わせていた、マーニの花。

 行ける所まで浦内川を漕ぎ上がり、船着場の軍艦岩まで行きましたが、あまりにも観光客が多いので、マリュドゥの滝に行くのはやめ。その代わり、帰りに立ち寄った支流に、小さいけれど、綺麗な滝を発見しました(後で調べると、カーシクの滝というようです)。やはり、カヤックは、人の行けない場所を独り占めできることが魅力です。

 浦内川の河口付近では、マングローブの森を形成しているヒルギの、細長い実がたくさん漂っていました。この実は、茶柱のように、縦に立って川面に浮いています。このまま軟らかい川底に突き刺さると、下端からは根が生え、上端からは幹が出てくるようです。実に良く出来ています。

 海に出て、宇那利崎を回りこむときに、判断ミスでリーフの外側を回ってしまいました。この時は、やや強い北風が吹き、波は1m程度。沖を漕いで行くだけならば別に支障はないのですが、リーフで波が大きく崩れているので、どこまで行ってもリーフ内に入ることができません。ほんの数百m先は、家族連れの海水浴客で賑わう星砂の浜(右写真)が見えるのに、そこまで行くのが難しいのです。仕方なく、こける事を覚悟して、思い切って突破しようとしたら、案の定、喜劇的にこけました。艇の前に積んでおいた足ひれ、メッシュアンカー、鍋一個を紛失。荷物はずぶ濡れ。もう少ししっかり準備してから突入すべきでした。

 最終日は、星砂のキャンプ場で泊。一泊300円、シャワー15分300円。文明社会に戻ってきました。明方、小雨がぱらつき、タープが大活躍。やはり、これからの季節はあると便利です。
 初めての西表でしたが、話に聞いていた通り、濃厚な旅を体験できました。また条件が良ければ、南海岸を回ったり、生活文化の体験などもしてみたいと思いました。