旅の記録40 天草ロングツーリング2

■日程■
2006/7/25-27
■距離■
C25.5km D25.8km
E30.6km
■同行者■
なし
■交通■
バス

 4日目は、早朝から羊角湾を出艇。穏やかな内海が続きます。しかし、大雨の影響で、湾内には枯れ枝などの浮遊物が漂い、カヤックに引っかかってとても漕ぎにくい状況でした。水は濁流のために茶色く濁り、差し込んだパドルの先端も見えません。

 湾を出てから魚貫岬までは、迫力ある絶壁が続きます。あちこちで滝が流れ落ちていましたが、これはおそらく大雨の直後でないと見られない光景でしょう。

 魚貫の湾に入ると、穏やかな多島海が広がります。こういうところで漕いでいると、幸福感が満ちてきます。
 魚貫の集落で上陸して、A-COOPで買った食糧で、一日ぶりに満足な食事にありつきました。

 さらに南下して、茂串海水浴場に到着。この海水浴場は、天草を旅するなら必ず立ち寄るべきでしょう。ビーチの近くには小さな売店小屋しかなく、駐車場とトイレ、シャワーなどは、歩いて10分ほど離れているので、自然に近い状態に保たれています。外洋に面した浜なのに、周囲の岩が天然の防波堤になって、波は穏やかです。キャンプもOKということでした。さらにビキニ率が相当高いというのもポイント。地元の人に、ずっと愛されてきた秘密の場所という印象を受けました。いつまでも、このままの形であって欲しいものです。
 5日目は牛深の島めぐり。桑島、大島、龍仙島と順番に訪れました。大島、龍仙島の間は、およそ3km。だいぶ距離はありますが、南風だったので、帰れなくなることはないだろうという判断で渡ることにしました。行きは60分、帰り40分でした。龍仙島は、四方からうねりがぶつかり、まさに外洋の孤島という雰囲気です。それでも、渡しで海水浴をしていた人達がいたのには驚きました。

 島めぐりの後は、牛深へ。優雅な曲線のハイヤ大橋は、関西空港やパリのポンピドゥ・センターを手がけたレンゾ・ピアノの設計です。牛深は、思った以上に巨大な港で、船もたくさん行き来しています。上陸場所に困ってうろうろした末、東側の港に着艇。夜は近くの民宿で素泊まり。コインランドリーで洗濯をして、リフレッシュしました。

 6日目。牛深の南の下須島を1周。西岸には、海上に昔の炭鉱へ降りるためのトンネルが残されていました。海上で、こんな小さなトンネルの出口から石炭の積み出しをするというのは、大変な作業だったことでしょう。当時の苦労がしのばれます。
 岬を回って、砂月海水浴場に着。南風によるごみの吹き溜まりになるので、砂浜は大変な状況になっていました。海の透明度はほとんどゼロで、海水浴をしたい雰囲気ではありません。客も家族連れが数組いたぐらいでした。
 築ノ島まで漕いで行くと、そこは南国的雰囲気漂うパラダイスでした。ダイビングスポットにもなっているということなので、スノーケリングをしてみると、驚くほどたくさんの着生生物が海底を埋め尽くしています。栄養豊富な内海の海水と、外洋の澄んだ海水が混じりあい、さらに築ノ島が天然の防波堤となる地形のおかげでしょう。後で考えると、数日ぐらいここで滞在しても良かったかも。おすすめポイントです。

 日程的に、もう少し先へ進みたかったので、築ノ島を出て、長島海峡を北上。一気に産島まで漕ぎました。ここには、キャンプ場があるということだったのですが、誰一人居なかったので、勝手に利用させてもらいました。
 この島からは、潮の流れを一望することができ、夕日を見ながら海の動きを感じるのは心揺さぶられる経験でした。