■日程■ 2008/04/12 |
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■距離■ 33.2km |
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■同行者■ ガイド1 客1 |
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■交通■ [行き] 御坊からタクシー [帰り] 車で送迎 |
「紀伊水道横断30km」、ある程度漕ぎ方を覚えたシーカヤッカーなら、一度は夢に見るコースだと思います。太平洋のうねりと、瀬戸内の潮流がぶつかるフィールド。日本全体の中でも、最大の難所のひとつであることは間違いないでしょう。当然、エスケープする場所はなく、南へ流されたら、太平洋ひとりぼっち。一人で漕ぐほどの度胸はありませんが、いつかはチャレンジしたいと思い続けていました。そんなところへ、クーランマランのサイトでツアーの告知。これは、参加するしかないでしょう。
前日は、仕事を終えてから、電車で御坊まで行き、タクシーで産湯へ。10:30PM頃着。ガイドの杉本さんと落ち合って、カフナとテントを組み立てました。その後、日が変わってから参加者のSさんも到着。明日はゆっくり出発しようと話をしてから就寝しました。
しかし、翌朝は6AM頃には、テントをたたむ音。杉本さん曰く、「起きちゃったから」。これがクーランマランのペースです。
10:30AM 出艇後約3時間。これだけの時間、上陸なしで漕いだのは、おそらく初めてでしょう。かなり足のしびれがひどくなってきました。ラダーを操作するためのペダルの位置の調整がやや短めだったようで、姿勢に無理がかかっていたのです。そのままではつらくなってきたので、いろいろポジションを変えてみたところ、足をペダルから離して前に伸ばすと非常に楽になります。しかしそうなると、踏ん張れないので、力が十分出ませんし、腰や腕への負担も増えます。それに、横風ではカヤックが風上に向かう力が働くので、進路を保てません。そこで、ペダルに足をかけたり、伸ばしたりを繰り返しながら漕いでいました。これが、後にとんでもないトラブルの原因になります。
11:30AM 出艇後約4時間。ようやく伊島が近くに見えてきました。2人は相変わらず、はるかに先です。杉本さんは目立つオレンジのジャケットを着ていてくれたので見つけやすいですが、Sさんの姿はほとんど見えません。もう、追い付く努力は放棄し、パンを取り出してランチ休憩。波はそれほど高くないですが、たまに1mを超える波が立ち、肩ぐらいまで水がかかります。パドルを離していると、転覆の可能性もあるので、風上から来る波には気を抜けませんでした。
ここでトラブル発生。ラダーの左ペダルが利かなくなり、右に向いたまま動かなくなってしまったのです(写真は後で撮ったもの)。後で分かったことですが、ラダーのワイヤーとペダルを固定しているねじが外れていたのです。おそらく、足を伸ばしている時に、足の甲がねじと接触し、徐々にゆるんできたものと思います。笛を吹いて、杉本さんに来てもらいましたが、海上では成す術なし。ラダーを上げて、漕ぎ始めますが、強い横風でカヤックが右を向いてしまうので、右2回スウィープ、左1回漕ぎの繰り返しで、何とか進路を保ちます。ペースはさらにダウン。
12:50PM 出艇後約5時間半。ようやく伊島の横まで来ました。このとき、突然右腕の筋肉に痺れが走りました。右ばかり強く漕いでいるので、負担が大きくなっていたようです。腕を伸ばして、軽くマッサージしたら、痺れは治まったので、そのまま続行。
この後、杉本さんは猛烈にペースアップして(追記:ご本人によると同じペースだったそうです)、一気に蒲生田岬の方に進んで行ってしまいました。「一人で漕ぐためにツアーに参加しているんじゃないのに!」と独り言で悪態つきながら、疲れた腕としびれた足に鞭打って、スローペースで杉本さんの姿を目指して漕いでいました。
2PM 出艇後約6時間半。蒲生田岬がだいぶ近付いてきた頃、自分の位置がかなり南寄りになっていることに気が付きました。流されている! 風はそれほど大したことはないので、潮の流れです。ともかく、蒲生田岬までたどり着かなければと漕いで行きますが、どんどん流され、岬の南側まで引きずられてしまいました。そこから、真北に向かって漕ぎ上がろうとしますが、海流が相当速く、北風も加わっているので、トップスピードに近い力で漕いでも、じわじわと進む程度。岬は目の前でしたが、ほんの数百mを漕ぐのに必死でした。