旅の記録68 忘れ物探しの十和田湖

■日程■
2008/8/1-3
■距離■
@17.6km A30.6km
B10.9km
■同行者■
なし
■交通■
[行き]
JR東北バス休屋
[帰り]
JR東北バス休屋


 下北ツーリングを終え、路線バスを乗りついで、大間→陸奥→野辺地と移動し、電車に乗り換えて青森に到着。駅近くのホテルに宿泊し、一日だけの都市の夜を楽しみました。青森らしくない、ちょっとおしゃれな店を発見。他のお店も紹介してもらい、飲み屋をはしご。たまには、都会の夜を彷徨うのも、捨て難い楽しみです。

 翌日は、始発のバスで十和田湖方面へ出発。JR東北バスは、嬉しいことに、広々した荷物室があり、大きなフェザークラフトのバッグも余裕で入れられます。八甲田山と十和田湖の旅には、欠かせない交通手段です。

 十和田湖に行く前に、少し気分を変えて、八甲田山に登ることにしました。酸ヶ湯温泉で降りて、キャンプ場でテントを張り、登山道具だけ持って、八甲田山へ。ロープウェーから、赤倉岳、井戸岳、大岳(1584m)、仙人岱と回りました。

 毛無岱の湿原では、キンコウカの花が満開で、一面黄色の花畑でした。今年は、近年にないほど良く咲いているそうです。

 翌日は、またバスを使って十和田湖へ移動。休屋の近くの浜でカヤックを組み立て、十和田湖1周ツーリングを開始しました。2つの半島付近は、観光船が頻繁に往来して煩わしいのですが、湖岸の入り江に入ると、カヤッカーだけの世界。時間が止まったかのような静寂の空間は、湖ならではです。

 半島を2つ回った後は、宇樽部キャンプ場で泊。水洗トイレや温水シャワーも完備され、自然な木立が点在する快適なキャンプ場です。ちょうどバックパッカーの方が一人でテントを張っていらっしゃったので、ビールを飲みながら、夜中までカヤックや登山のお話させてもらいました。

 翌朝は、子の口まで漕いで、バスで石ヶ戸まで移動し、奥入瀬渓流を歩きました。渓流沿いに道路が通っており、排気ガスを撒き散らす車の脇を歩かなければならないのは風情に欠けますが、手軽に渓流を散歩できる場所は少ないので、観光としてはいいかもしれません。
 ここで、写真を撮ろうとして、デジカメを持っていないことに気付きました。どこでなくしたか記憶はなし。右は携帯電話で撮った銚子滝。

 子の口に戻ってカメラを探しますが、カヤックの中にもなし。どこで落としてしまったのだろう? 仕方なく、そのまま十和田湖ツーリングを続けます。北岸へと漕いで、御倉半島を見ているうちに、もしかしたら、キャンプ場で落としたかもしれないと思い、往復して探しに行きましたが、結局見つからず。貴重な下北の写真が入っているのに、残念。
 そうこうしているうちに、雲行きがあやしくなり、南西の風がかなり強くなってきました。雨も本格的に降り始めて、やがて土砂降りに。目標の西岸まで漕ぐには、真正面からの強風に向かわなければなりません。
 強風と土砂降りの中を漕ぎ続けること1時間半。日の暮れ始める頃ようやく西岸に到着し、某キャンプ場を覗きますが、この雨の中で過ごしやすそうなところではなく、アブ4、5匹から猛烈な攻撃を食らったので、早々に退散。アブのいない近くの湖岸でキャンプすることにしました。テントを立てて、濡れた服を着替えて、ようやく一息。雨は翌朝まで降り続けましたが、MSRのメッシュテントの中は快適です。テント内でカレーを作って食べた後は、すぐに熟睡。
 翌朝、残すところは休屋まで最後の10km。雨は止みましたが、風は相変わらず強く吹き荒れています。西岸は風裏になるので穏やかでしたが、生出から休屋までは猛烈な追い風。カヤックは、風と波に乗って、平均時速9km、一時的には時速11kmを超えるスピードで爆走しました。旅のエンディングにふさわしいクライマックスでした。
 さて、その後、パッキングしてバス待ちしながら、最後の頼みと思い、JR東北バスの忘れ物係に電話すると、デジカメが届いているとのこと。後で宅配で送ってもらえることになり、この旅の写真がお見せできるということです。JR東北バスさんには、大感謝です。
 今回の下北と十和田湖の旅、途中までは、フォールディングカヤックの旅のモデルケースになりそうなほど完璧な仕上がりでしたが、デジカメをなくして以降は不幸続き。まあ、旅はいろいろなことがあってこそ、良い思い出です。今回もいい旅でした。