旅の記録72 人吉一人旅と球磨川下り

■日程■
2009/04/06
■距離■
22.1km
■同行者■
なし
■交通■
[行き]
宿から車で送迎
[帰り]
JR白石駅乗車


 所用で福岡を訪れる機会があったので、少し足を延ばして、田歌舎のブログで紹介されていた、人吉の民宿、ピルミレンゲを訪ねて、球磨川下りをすることにしました。
 人吉へ通じる電車は、レトロな雰囲気で旅情を誘います。近く、本物のSLも運行するそうで、鉄道ファンにはたまらない路線なのではないでしょうか。人吉は、あいにくの小雨模様。駅周辺を少し散歩し、昨年国宝指定されたという青井阿蘇神社など見物しました。

 人吉から西人吉へ一駅戻り、徒歩でピルミレンゲへ。ここは、若い夫婦がもてなしてくれる旅人のための宿です。寝室を簡素にする代わりに、リビングには、暖炉、100種類以上の焼酎、セレクトされた本などが置いてあり、ゆったりとくつろげる雰囲気が見事に演出されています。食事は、野菜中心のシンプルな味付けの和食で、私好み。野菜は、近くの畑で自然農栽培しているそうです。そして何より、いなっちさんと、くみさんの人柄が魅力的で、他のお客さんと一緒にいろいろ興味深い話を聞きながら、楽しく過ごすことができました。一人旅をするときには、こんな出会いの場が嬉しいのです。

 翌朝は、JAVAの組み立てをしてから、宿に戻って美味しい朝御飯。漕ぎ出せる河原まで少し距離がありましたが、車で搬送して頂いたので、楽ができました。9時頃いよいよ急流球磨川へと漕ぎ出しです。
 朝は、あいにくと小雨が降り、少々肌寒かったのですが、ドライスーツを着込んでいたので、万全の装備です。最初のうちは、それほど大きな瀬はなく、ゆっくりした流れに任せてのんびりと川下り。所々で現れる瀬でも、写真が撮れるぐらいの余裕です。

 今回漕いだ区間は、観光で良く利用されているので、酷い開発も控えられています。シーズンになると、観光船とラフティングと釣り人で大混雑するようですが、まだ今は川で遊ぶ人は少ないので、自由気ままに漕ぐことができました。
 途中から、徐々に大きな瀬が現れるようになり、抵抗むなしく沈、沈、沈。ドライスーツのおかげで濡れることはないですし、JAVAはすぐ再乗艇できるので、沈するのもまた楽しい。合計5回も沈させてもらいました。下右の瀬など、球磨川の流れが、幅わずか数メートルに絞られる激流です。清水の舞台から飛び降りる思いで突っ込みましたが、浮力の大きなJAVAでも一瞬ホワイトウォーターの中に埋もれてしまうほどでした。

 JR球泉洞駅の少し手前で上陸して、レストランでの昼食と鍾乳洞見物。球泉洞は、駅よりだいぶ下流にあったので、もう少し下った方が良かったのですが、運良く送迎バスが来ていたので、乗せてもらうことができました。
 球泉洞では、冒険コースに申込み、ヘッドランプとヘルメットと長靴を借りて、地下40mの地下水の滝へと鍾乳洞探検。ガイドさんとマンツーマンだったので、照明を消して真っ暗闇の中を案内してもらいました。観光コースでは味わえない経験ができるので、体力のある方はぜひ冒険コースをお勧めします。

 球泉洞を楽しんだあとは、吊り橋を渡って対岸に戻り、川下りの続きを再開。
 石灰岩が川の流れで削られ、雄大な絶壁ができています。このあたりが、一番景色の良いところかもしれません。天気予報に反して、午後からは日差しも出る好天となり、大変気持の良いツーリングとなりました。

 白石駅まで漕いで今回の旅は終了。駅の対岸で、夕方の日差しで艇を乾かして、ローカル線で帰途につきました。この先はダム湖なので、もう川の命は絶たれています。このまま海まで行けたらなぁ。
 球磨川と人吉、いいところでした。いなっちが惚れたのも分かる。今後も、どんどん町と自然の魅力を高めてくれることでしょう。ピルミレンゲ!(ヒンドゥー語で「また会いましょう!」 )